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GACKTがマリスミゼル脱退を美談に?好感度上げに必死な姿に批判の声

歌手のGACKTさんが、MALICE MIZER(マリスミゼル)の脱退について口を開きました。

これまであまり語られることのなかった脱退のエピソードや心境を「シンソウ坂上」で語ったGACKTさん。

亡くなったメンバーのKamiさんへの思いなどが感動的な演出で放送されましたが、ファンから厳しい意見が寄せられているようです。

GACKTがマリスミゼル脱退を語る

GACKTさんは、今ではソロのミュージシャンとして活動していますが、以前はビジュアル系バンド「MALICE MIZER(マリスミゼル)」のボーカルとして活動していました。

マリスミゼルは90年代は大人気のバンドでしたが、人気絶頂期の1999年にGACKTさんがグループ脱退。

当時の音楽シーンでが大ニュースとなり「GACKT雲隠れ」「メンバーとの確執」など報道が世間を騒がせました。

GACKTさんはソロデビュー後も脱退については多くを語ってこなかったため、脱退については様々な噂が広がっていきました。

そんな脱退騒動について、2019年5月16日放送の「シンソウ坂上」でGACKTさんが当時の心境を振り返りました。

GACKT対社長とメンバーの構図になっていた?

GACKTさんによると、マリスミゼルは当時解散危機にあったと言います。

方向性の違いというよりも、25歳の時にバンドのメンバーが集まって、もう解散するみたいな話になっちゃったんです。

もちろん、続けるつもりだったんですよ。

だけど、話す価値もないみたいな状態になって、僕対メンバー・社長という形に、完全に分かれて。

だったら、僕は自分の音楽を作ろうと思ったんです。

不本意な形で脱退をしたGACKTさんは、メンバーや関係者とも全く連絡をとらない状況にあったと言います。

Kamiの死を知り…

マリスミゼルから脱退したGACKTさんですが、仲の良かったメンバー・ドラムのKamiさんが亡くなったことを知ります。

脱退からお互いずっと連絡を取っておらず、彼の死を知ったのは葬儀が終わったあとだったそう。

葬儀はメンバーを含む身内で行い、Gacktさんは呼ばれなかったようです。

GACKTさんはそれから何かに突き動かされるようにKamiさんの地元である茨城県へ行き、一軒一軒家を訪ねてKamiさんの実家を探し当てました。

両親と会い、Kamiさんにマリスミゼルを脱退したことを謝ったそうです。

それからと言うもの、Kamiさんの誕生日と命日にはお墓とKamiさんの実家へ行き、手を合わせているそうです。

本当は美談として語られるものではない?

「シンソウ坂上」では、GACKTさんがマリスミゼル脱退当時の心境を語り、美談として取り上げられています。

しかし、当時のマリスミゼルでは、メンバーたちもGACKTさんに対して批判的な姿勢を取っていたという事実もあり、決して美談として語られることではない話という意見もあります。

では、GACKTさんの脱退当時の情報を振り返ってみましょう。

突然の失踪

1995年にマリスミゼルに加入したGACKTさん。

バンドはライブチケットはすぐに売り切れ、歌番組やバラエティ番組などにも引っ張りだこの超人気バンドに成長しました。

しかし、徐々にGACKTさん個人を売り出そうという動きも増えていたようで、

Gacktさんの著書『自白』では、メディア露出が自分に偏って他のメンバーからよく思われていないように感じてバンド内で孤立していたことが書かれています。

そして1998年、GACKTさんが突然失踪をしました。

1998年11月に発売された音楽雑誌「FOOL’S MATE」1999年1月号では、GACKTさんを除いた4人のメンバーが表紙に登場。

雑誌本文でも「4人のメンバーが〜」と、さもGACKTさんがいないかのような表現をしており、ファンの間では「GACKTがいなくなった」と大きな話題となりました。

Gacktが単独で失踪の理由を語る

テレビなどのメディアでもGACKTさんの失踪が取り上げられる中、1998年12月に発売された雑誌「SHOXX」にGACKTさんが一人で表紙を飾りました。

SHOXX,画像この時、メンバーや事務所関係者との連絡は立ったまま、単独行動で雑誌に出たと言われています。

メディアに出たかったけど事務所の理解不足が限界だった。

マリスがマリスである為にと我慢していたことがいっぱいあってメンバーがいなければやっていけないって思うくらい疑問が多かった。

でもメンバー間でも意見が食い違って亀裂が入った。

立て直す為に徹底的に話をしたけど僕の目を見ることが出来ないって向き合うことを拒絶されて僕はもうどうしようもないじゃない。

僕はMALICE MIZERが好きだし、愛してるし、誰よりも大切に思ってる。
これは前と何も変わらない。

MALICE MIZERは誰が欠けてもMALICE MIZERではない。
ステージ上にいる彼らに対しては凄い誇りを持ってるよ。

ツアーファイナルの横浜アリーナが終わってひと段落ついて疲れていたメンバーは休みたがっていたけど僕は動き続けたかった。

人間の生活とは言えないようなサイクルで動いてた時期もあったし過密スケジュールで疲れるのは仕方ない。

だから休みたい人は休めばいいし、動きたい人は動けばいいと思ったけどそれを理解されなくてソロ活動がしたいと誤解された。

一部抜粋ですが、メンバーや事務所との間に亀裂が入っていたことが分かりますね。

脱退報告とメンバーからの怒りの声

GACKTさんのコメント発表から約1か月が経った1999年1月、マリスミゼルのファンクラブ会員へ脱退報告のお手紙が届きました。

中身はGACKTさんを除くメンバー4人からのメッセージカードでしたが、そこにはGACKTさんへの怒りの声が綴られていました。

Mana
Mana
私の言う事をどう受け止めるかは、あなた次第です。
彼の発する言葉に、もはや真実など見えなかった。
この関係の中で、作品を作りつづけることは、難しいと判断しました。
愛しい君たちには、申し訳ない。
こんな事は言いたくありませんでした。
でも、貴方たちには、真実を伝えたかった。 
Yu~ki
Yu~ki
何を信じ、誰に心を開いていけば良いのかさえ解らない世界。
自分のためなら、平気で人の心、人の存在を傷つけてしまう社会で、せめて自分達が造り出す世界、音楽には、偽りや嘘はつきたくない。
人はいかに人の事を信じてあげられるかだと、僕は思う。
そこに愛という言葉があるのだと思う。
Kozi
Kozi
どこからどこまで言えばいいのか解らない。
本当に言葉に出来ない位の悔しい、歯がゆい想いが沢山ありました。
俺は、MALICE MIZERという団体での活動を誇りに思ってる。
絶対になくしたりはしない。
今居るメンバーや事務所との関係は、昨日、今日、始まったものではない。
言葉では言い表せない信頼という関係で結ばれている。
自分の気もち、メンバー4人の想いには嘘をつかずに、前を向いて歩いて行きます。
Kami
Kami
自分の為だったら何をしてもいいのか、何を言ってもいいのか。
自分のことすら解ってない様な人と今まで一緒に手を組んで頑張ってきた自分が憎い。
MALICE MIZERをそしてメンバーを愛していると彼は言った。
この言葉の意味を本当に彼は知って言っているのであろうか。
因果応報というものは必ずある。
自分達の愛する音楽に、偽りや嘘をつきたくない。

ここまでバンドのメンバーが怒りを隠さずに公に出すというのは、とても珍しいことだと思います。

この後、4人のメンバーはファンクラブ会報に留まらず音楽雑誌でもGACKTさんを批判するコメントを出しています。

1999年3月に発売された「Vicious」には、ファンクラブ会報誌以上に厳しい言葉が並んでいました。

かなり長いコメントもありますので、一部抜粋で紹介させていただきます。

Mana
Mana
昨年11月頃からミーティングに来なくなって仕事があるにもかかわらず行方不明になって連絡先もわからない状態だったんですよ。
それでも僕たちは彼を待ち続けました。
だから、僕らが追い出したみたいに受け取らないで欲しいんですよ。
しかし彼は裏切るような形で…。とても悲しくて悔しかった。

某誌で彼は「休まずに突っ走りたい」と言ってたけどその言葉を聞いたことはないし僕らは「休みたい」とは言ってない。
考える時間が必要なので充電期間を設けてコンセプトを固めようという意見についてのやりとりを何度もしました。
その中で明らかに人としての在り方が食い違っていきました。彼と4人の間で。
デビューしてから急角度を描くようにGacktは変わっていきましたね、良くも悪くも。

彼の持つアーティスト性は大いに認めます。
ステージにおいては複雑な私情を持ち込んだことは一切ないですよ。
でも、限界が来たなと。
新しい事を創造するには、より信頼関係が必要だと思うんです。
今後、一緒にやることはないと思います。 

Yu~ki
Yu~ki
何でも話し合いをしよう、ぶつかりあって隠し事はしないっていう流れできてたけどいつの間にか、音楽うんぬんの前に話せなくなってしまった。
別に誰かがというわけでもなく。
僕らの事務所は昨日今日組んだものじゃないし、1番分かってくれてるんですよ。
事務所ともレコード会社とも対立することなくやってこれた。
だから彼が某誌で言ってた「事務所との対立」みたいな言葉はどうしたら生まれてくるのか不思議でしょうがないんですね。
Kozi
Kozi
ぶつかりは他のメンバー同士でもあるし、本当に根本的な人として的なところです。
ぶつかることは今まで何度もあったんだけど『merveilles』以降のコンセプトを作る段階にきていろいろあって。
Kami
Kami
何度も何度もミーティングし、こちらから歩み寄っていったんだけど彼は離れていく一方だった。
信頼というものが少しずつ薄れていった。
彼は「MALICE MIZERを愛してる」って言ってますがそれならどうして今回のような行動をとったのか信じられません。

4人のメンバーから、GACKTさんへの強烈な怒りや憎しみを感じます。

この後GACKTさんは弁明のコメントを発表し、1999年にソロ活動を開始しました。

マリスミゼルも同年に再始動しましたが、それからほどなくしてKamiさんがくも膜下出血で永眠されました。

umi
umi
ここまで批判されていると、GACKTさんを擁護するのは難しいと感じてしまいます…

Kamiのお墓参りを公開し批判殺到

マリスミゼルメンバーとの確執が報じられていたGACKTさん。

ソロ歌手としてデビュー後は、私たちがよく知っているGACKTさんの姿で音楽やバラエティ方面でも成功を収めました。

2015年2月には自身の遺書として書いた曲『P.S. I LOVE U』のリリースにあたり、

Kamiさんのお墓参りやKamiさんのご両親と過ごす映像、さらにKamiさんについて涙を流しながらコメントをする姿がニコ生で放送されました。

しかし、ファンが殺到することなどが危惧されて非公開であったはずのお墓の場所の公開、そして亡くなったKamiさんをリリースの宣伝に使ったと受け取ったファンから批判が殺到することに。

好感度上げに必死な姿に批判の声

「シンソウ坂上」では、GACKTさんがKamiさんに対する思いを語り、脱退から現在までの流れが美談としてまとめられていました。

ただ、脱退騒動の他のメンバーのコメントなどを見ると、明らかにGACKTさんがメンバーの信頼を裏切る行動をしたのは確かですし、自分が犠牲になったかのような表現はちょっと首を傾げたくなってしまいます。

ネットの声を見てみても「美談にするのは違う」という声が多く上がっていました。

一部のメンバーとは、公式ホームページの日記で再開報告をしたりと和解をされていると見られていますが、Kamiさんについてはわだかまりが残ったままのお別れとなってしまったGACKTさん。

確執というよりかは、ボタンの掛け違いのようなものなのかもしれません。

ただ、メンバーや事務所に連絡せずに失踪をして脱退をしたのは事実のようですので、自分が犠牲になったような表現には違和感を抱く方も少なくはないでしょう。

このタイミングでこの話題を出してきたのは、好感度を上げるためだと思われます。

近年のGACKTさんは、東北地震の義援金の不正使用や怪しいビジネスの噂が後を絶ちません。

落ち続ける好感度に起死回生のチャンスとして、投じた一手だったとも考えられます。

しかし「死人に口なし」という言葉もある通り、GACKTさんが語る言葉だけが真実とは限りません。

Kamiさんが反論などができない立場にいる以上、GACKTさんから発言すべきでない話題なのかもしれませんね。

マリスミゼル,GACKT,画像

まとめ

GACKTさんのマリスミゼル脱退についてまとめてみました。

「シンソウ坂上」では美談として語られていましたが、過去の出来事を整理すると、GACKTさんにも非があるように見えてしまいます。

ファンからは「美談として語ることではない」という声も多く上がっていますから、GACKTさん側から積極的に発言するのには適さない話題なのかもしれませんね。